Azure停止したのに何故か課金される!サポートに確認してみた

Azure環境の無料アカウントを使えば1ヶ月限定で22,500円分無料で使えるので、試しに環境を作って色々試していたら、色々罠にハマったのでシェアしておきたいと思います。

どんな罠かって簡単にお伝えすると、

使用しているサーバは停止しているのに何故か課金されてる!

何をやれば課金ゼロに出来るのか分からない!

ってことです。

自分としては、料金を発生しないように構築しているはずなのに、何故か毎日意図しない料金が発生していて、せっかくの無料分を無駄に使い続けてしまいました。

なのでこれからAzureで無料体験をしたいと思っている人に向けて、私が実際にサポートに確認した内容を出来るだけ分かりやすくお伝え出来たらと思っています。

尚、本記事は2020年5月に作成した内容で、Azureなどクラウド環境は日々変化していますので最新の情報はAzureの公式サイトを参照して頂けると幸いです。

では、さっそく進みましょう!

無料アカウントで作成した環境

まず、私がAzureの無料体験で作成した環境を簡単に図でまとめてみたので、ご覧ください。

極めてシンプルな構成ですね。

リージョン2つを使って、それぞれ仮想マシンを2台構築。

マネージドディスク(データディスク)を3台追加で接続している状態です。

それぞれパブリックIPを持っているので外部にはI/N経由で通信可能です。

それぞれのリージョンに仮想VPNゲートウェイを構築してVPN経由でアクセス出来るように設定しました。

本構成で料金を出来るだけ発生させないようにするにはどのようにすればいいのでしょうか。

あなたも記事を読みながら想像してみて下さいね。

仮想マシンを停止したのに料金が加算される

1つ目の罠。

ネットでちょろっと調べた感じだと仮想マシンを停止すれば課金しないとのブログ記事を発見しました。

なるほど、ということで作成した全仮想マシンをOSからシャットダウン後ポータルから「Virtual Machines」メニューを開いて状態列を確認すると「停止済み」となっていたのでそのまま報知していたけど、1500円程度の課金されているように思われる。。

再調査を実施。

仮想マシンを割当て解除したのに料金が発生する

2つ目の罠。

別の記事で調べていると、OSのシャットダウンだけだとリソースとして割り当てられている扱いになるから課金されてしまう、とのこと。

どうやら先ほどの「Virtual Machines」メニューからも停止をしないといけないようです。

確かにメニュー上に「停止」ボタンがあったので、全仮想マシンで「停止」を実施。

しばらくすると状態列が「停止済み(割り当て解除)」となりました。

※以下の画像は2台だけ「停止済み(割り当て解除)」している状態です。

ここで注意点ですが、

割り当てを解除する(ポータル上で「停止」する)とリソース割り当てが解除されるので動的なグローバルIPを割り当てている場合はIPが変わる可能性があります。

また、割り当て解除はOSをシャットダウンをしなくても出来ますが、OSのシャットダウンもしないと課金されるようなので、注意しましょう。

状態を「停止済み(割り当て解除)」にした状態で数日放置しました。

結果的に日々の課金額は1,000円程度になりましたが、まだ課金されており、素人レベルの私には理由が分からず途方に暮れてサポートに問い合わせしました。

分からないのでAzureサポートに聞いてみた

私が実施したサポートへの問い合わせ方法については後ほどご紹介しますが、簡単に問い合わせすることが出来ました。

私が作った環境で大きく課金に影響している内容や課金が発生するポイントも教えてもらいました。

大きな課金要素はデータディスクを追加していたから

日々1,000円課金されていた主な原因は、

データストレージがリソースとして追加されていたから

とのことでした。

以下の画像はAzureで仮想マシンを作成する手順の抜粋になります。

本画面でディスクを追加することが出来るのですが、ここでディスクを追加した時点で料金が発生するようです。

今回の場合はデータディスクに「test_DataDisk_0」というリソースで1TB(1024GB)のPremium SSDを追加しています。

つまり、追加したデータディスクを使用していなくても割り当ててるだけで料金が発生します。

私はどのサイトを参考にしたか忘れてしまいましたが、そのサイトで仮想マシン作成時、ディスクを追加している手順があったので、あまり意識せず追加していたのですが、なんと4台中3台(本記事冒頭の環境図をご確認下さい。)に1TBも追加してしまっていました。

SSD,HDDなどのディスクの種類、ディスク容量によって課金額は変動するのですが、評価環境なので、データディスクで1TBは不要なので完全削除することにしました。

データディスクを追加した時点で課金されるのは個人的に意識出来ていなかったですね。

大きく3つの構成で料金が発生すること

サポートの方がおっしゃるには、今回の環境の場合、課金される要素はざっくりと仮想マシン、ストレージ、ネットワークになるとのこと。

仮想マシンについては前述通り、OSシャットダウンと割り当て解除されていれば課金されませんが、ストレージはディスクを割り当てたタイミングで課金されますし、ネットワークはAzureが何かしらの通信を定期的に送受信しているとのことで、ネットワークがリソースで割り当てられている限り完全に日々の課金をゼロにすることは難しいとのことでした。

つまり、完全課金ゼロにするにはリソースを全部削除するのが手っ取り早そうですね。

料金に関する問合せは無料でポータルから出来た

Azureのポータルから料金に関する問い合わせであれば、無料体験版ライセンスでもポータルメニューの「ヘルプとサポート」問い合わせることが出来ました。

料金に関する質問をしたい場合は、「新しいサポート リクエスト」を選択して以下の図のように課金に関する質問に内容を変更して下さい。

ちなみに技術的な質問の場合は、有料サポートなので無料アカウントの場合は問合せすることは出来ないようでした。

その後、メールやポータル内のチャットで回答が来るのかなっとのんびり待っていたら2〜3日後に知らない電話番号から電話が。

恐る恐る出てみるとAzureのサポート担当の方からでした。

はきはきとした女性の方でこちらの質問に対して的確に答えてくれたので、非常に満足したサポート内容でしたね。

無料で使わせてもらっているので少し肩身は狭かったですが(笑)

(余談1)無料体験版のクレジットを使い果たした後の流れ

サポートの方との電話でのやりとりで、なんとなく色々他にも答えてくれそうだったのでついでに無料クレジットを全部使い果たしてしまった後の流れも教えてもらいました。
(本当に親切で助かりました。さすがマイクロソフトですね。)

無料分22500円クレジット分を使い終わっても従量課金アップグレードを申請していなければ、自動的に有料課金されることはないそうです。

流れとしては、ポータルにアクセスは出来ますが、読み取り専用となって各リソースへのアクセスは出来ないようになるそうです。

使用期限が切れてから30日以内に課金申し込みすれば再度使えるようになってデータ自体は保持されるようなので、課金して使い続けるかどうか1か月程度検討する期間があるのでその点は助かるなっと思いました。

(余談2)サブスクリプション単位のクォータ制限

これも地味にハマったので書いておきますが無料アカウントの場合(正確にはサブスクリプション単位ですが)各リージョンで使用できるリソースが決まっています。

元々、米東部2リージョンのみを使って4台サーバを構築しようとしたのですが、3台目以降どんなスペックの仮想マシンにしても作成することが出来ず色々調べた結果、1リージョンでCPUは4vCPUのみ使えるようにクォーター制限が設定されています。

今回私は1台に2vCPU割り当てていたので、最大で2台しか構築出来なかったということですね。

以下の図はポータルから無料体験版サブスクリプションリソースを選択して、「使用用+クォータ」の設定画面を開いた画面です。

米国西部2と米国東部2のリージョンvCPU合計が4vCPUになっていることが確認出来るかと思います。

特にエラーメッセージなどが表示されないので、何故作成出来ないのか非常にとまどった記憶がありましたので、あなたも注意して下さいね。

尚、引き上げ申請をするとリージョン単位で使えるリソースを増やすことが出来るようです。

参考)
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/azure-portal/supportability/regional-quota-requests

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回の課金に関するざっくりとした考え方をご紹介しました。

とりあえず、仮想マシン作成時に無駄なデータディスクは追加してはいけないってことは勉強になりました。

あなたも何故課金されているのか分からない・・っていう場合はこの記事を参考に対応して下さいね。

無料アカウントでも料金に関する質問であればサポートが丁寧に教えてくれるので、そちらで確認することをおすすめします。

ではでは、ありがとうございました。